「けいおん以降に放送したそれっぽいアニメ」と、ひとくくりにしまうと怒る人も多そうですが、私のなかではそう感じてしまいます。そしてAチャンネルはその中でも「それっぽい」という意味で代表的なものだと思います。明らかにけいおんを彷彿とさせる要素が多く、無意識でも比較してしまいます。そして、比較すると・・・なかなかどうにも・・どうなんでしょう。
原作うんぬんについてはよくわかりませんが、少なくとも「放送順」という概念があるアニメにおいて、名作の後にそれに似たものを放送してしまった落ち度はあるのだと思います。
まず、女子高生4人組の日常を描いたこのアニメには唯、澪、そしてあずにゃんが登場します。といってもいいくらい似たキャラクター構成なのです。おそらく主人公と思われる(るん)、この人はしゃべり方といい性格といい、唯とほぼ同一人物といってもいいでしょう。さらに画像からもなんとなく分かると思いますが、左端で恥ずかしそうにしているのが(ユー子)、澪に当たる人物です。見た目に関しては見ての通り、性格は弱気で怖がり、そしていじられキャラと澪のポイントを全て通過しているようなキャラクターです。ただし、しゃべり方だけは全く違って関西弁です。(少しだけ変えてるところが逆に胡散臭いと感じてしまわないわけでもないですが・・・)
そして唯一の後輩(トオル)。「唯一の後輩」ということは当然、あの「けいおん!!」では大感動だったあの展開が待っているわけです。
全体的な内容としては、「仲良し4人組のゆるゆるとした日常、ちょっとしたギャグあり」といった感じで、可もなく不可もなくな印象です。日常系アニメには大きな「可」は必要ないと思いますのでこれでも十分だと思うのですが、やはり「けいおん」との比較が入ってしまうといくつか気になる点も出てきてしまいます。長くなりそうなので簡潔にまとめると、ギャグアニメではないのだから1つのネタに固執しないでほしい(トオルの暴力、ナギのダイエット等)。それから、EDとは別に終盤に毎回違う挿入歌(というよりPVみたいな感じ)が入って「友達っていいよね」みたいな感じになるのだけれど、日常→曲→いい感じ、というパッケージ化はあまり好ましくない。といった点が挙げられます。
どちらも「けいおん!」の記事でも述べたように、日常ほのぼの系アニメの本懐は「キャラクターとその世界を好きになること」だという考えからきています。
前述したように唯一の後輩(トオル)の存在によって、感動の「あの」展開があるのですが(つまりは卒業する3人、一人残されるトオルという展開がある)、正直あまり感動できません。全体的な演出の問題もあるとは思いますが、決定的によくなかったのはあのシーン。少々記憶があいまいなのですが、まず(るん)と(トオル)は中学生時代からの友達で、「高校受験を控えた(るん)の受験勉強に付き合う後輩の(トオル)。しかし(トオル)のほうが優秀ですぐに(るん)の勉強を追い越してしまう」という回想シーン(ギャグ調)が、卒業も押し迫ったけっこういいところで入ります。お別れをもう経験している、しかもギャグ調で処理してしまったらこれからのシーンの説得力が無くなるに決まっています。
製作者は感動させる気がなかったのでしょうか。そこまではまあまあ感動できそうな感じだっただけにガッカリ感も大きかったです。
[0回]
PR