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とある科学の超電磁砲S




2009年から放送していたレールガンの2期。そもそもレールガンはインデックスの外伝なので「とある~」シリーズのアニメで数えれば4作目ということになる。
まず今作の感想を書く前に言っておきたいのは、レールガン一期に関してはこのブログでは触れていないものの星5を付けていいほど良かったと思えるアニメであるということ。そして今作は2期である以上そこからの比較になってしまうということ。そういう目で見ると、今作は一期のあの面白さからは何かと見劣りしてしまっていると言わざる得ない。とくに前半部分に関しては一期での空気感を大きく変える攻めた演出がされているのだが、私の眼には裏目が大きく出てしまっているように感じられた。というように欠点を多く挙げることになると思うが、別につまらなかったというわけではなくあくまで一期との比較であるということだけ最初に言っておきたい。


まず、特に一期について超電磁砲シリーズのなにが面白かったのか、それは「シリアスなバトル要素が強いパートと萌え要素が強い日常パート、そのどちらも良くできている」ということだと思う。これを両立できているアニメというのは意外と少ない。両立できているということは単に面白さが足し算になっているわけではなくて、日常パートに入り込めるからシリアスパートのカッコ良さや感動が際立つし、逆にシリアスパートがよくできているからこそ日常パートもひとしおほのぼのできる。というように相乗効果でより魅力的になっているし、またテンションの幅が広いので「レールガン」という世界で十分に完結している、つまり入り込めるという点も良い。レールガンシリーズには「ここがスゴイ」という突出した特徴こそないが、こういうバランスの良さが結果的に名作と呼べるほど素晴らしい作品となっている。


二期については前半のシスターズ編に触れないわけにはいかない。この部分はインデックスで一度描かれたエピソードを御坂目線で描きなおしているもので、間違いなくストーリーは同じなのだが「あれ、こんなかんじだったけ?」疑いたくなるほど印象が違う。それまでの「とあるシリーズ」の世界観を壊しかねないほどエグイ表現が多用されていて、それまでこのアニメでは一度も感じたことがなかった「死」というものを生々しく感じる。御坂妹が実験材料として死んでいるという事実が辛すぎるし、さらにそれをどうすることもできない御坂のやりきれなさも痛いほど伝わってくる。という点では世界観を逸脱したエグイ表現というのは非常に効果的だった。この感じはフルメタルパニックの一期からCecondRaidへの変化に似ている、当たり前のことが無くなっている焦燥感が視聴者にもダイレクトに伝わってくる感じだ。


しかし、このパートの全体に対しての組み込み方を考えると、不自然な点が多いし、それが結果的に先ほど言った「バランスの良さ」を乱し、そもそもの魅力が半減してしまっている。
まず、なぜこのパートを前半に入れてしまったのかということ。一応は「前半では全ての問題を一人で抱え込み苦しんだ御坂だったが、後半では仲間の大切さを思い出し共に立ち上がった」ということになっているが、そんなことより残酷描写の連続ですっかりシビアになってしまった空気と、「もう学園都市も信用できない」という不信感が後半になっても拭いきれないということが気になってしまう。後半からいつものやり方に戻すのなら、それを肯定するようなシーンの一つでも入れてほしい。ちなみにフルメタルパニックではCecondRade終盤のあるシーン(千鳥が宗介に再開するや否や飛び蹴りをする)で、一期のコメディパートからSecondRaidのシビアパートへの変化を一気に巻き込むような素晴らしい大逆転をやっている。
それから、私にとってはこれが最大の問題点なのだが、とにかく上条には出て来てほしくない。この上条という人物は昨今のボーイミーツガール系アニメの主人公のウザい部分の集約のような存在で、個人的にはどんなにいいストーリーでも最終的に上条の一人勝ちになってしまう展開にイライラさせられる。さらに今回は御坂目線で話が進んでいる以上、上条のしゃしゃり出てる感が際立ってしまっている。御坂が明らかに何かを抱え込んでいるのに、何故か黒子はしおらしく見守っているという状況で、がつがつと上条がやってきて「俺が戦う!」といいとこをさらっていったという印象が強い。黒子をさしおいて出しゃばるところではないだろうと、そう感じてしまうわけだ。そもそも何が問題かというとあのストーリーを御坂目線でやってしまうと、黒子をはじめ当然関わってくるであろう人物を登場させることができないし、上条は主人公だからこそあの偽善がまだ許せるわけで、別視点では本当におせっかいなだけに感じてしまうということ。つまり、あのストーリーを御坂目線で、ということ自体に無理があったわけだ。


放送スケジュールを振り返ると全24話中、前半シスターズ編が15話、後半のフェブリ編が残りの9話と明らかにシスターズ編に比重がかかっていることが分かる。フェブリ編に関しては初めに書いたおもしろさもしっかりとあったのだが、やはり9話に日常と非日と常両方を入れると入り込むには時間が足りないように感じた。さらに最終回もそのフェブリ編からの流れで大団円、という感じなのでイマイチ感動できなかった。あくまでも一期と比べればだが。

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