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ひぐらしのなく頃に


(ネタバレあり)

とある村で起こる、祟りやそれに乗じた殺人、何も知らずに転校してきた主人公がそれに巻き込まれていく。というタイプのストーリー。この設定はアニメ界(だけではないかもしれない)ではテンプレートとして確立しているようだ。私が見た中ではAnother、数年前にやっていた「犬なんとか」みたいなタイトルのアニメ(どうしても思い出せない)、それからBLOOD-Cとかも似たようなジャンルに入るのだろうか。そのあたりのアニメと比べてみると、ひぐらしのなく頃には色々な要素で密度感が桁違いだと感じた。やはり、有名どころのアニメにはそれ相応のエネルギーがある。

ひぐらし一期最大の特徴は、作品の枠をこえた躁鬱の繰り返しだ。
主人公は転校してすぐに仲良し4人組の仲間に入ることになる。この4人は、なぜか可愛い女の子ばかりなわけだが、このメンバーとの日常パートが胸糞が悪くなるほどキャピキャピ感なのである。Another等はこの段階でもどことなく不吉な雰囲気というものがあったが、ひぐらしにはそれが一切ない。明らかに萌えに特化したアニメ然とした演出で、このあと悲劇的なことが起こるということがどうしても想像できない。この部分が「躁」である。
そんな中、主人公が触れてはいけない話題にふれると、雰囲気は一変する。さっきまでキャピキャピだった女の子たちが、まるで別人になったように不吉なオーラを醸し始め、主人公は自分が殺されるのでは、と疑心暗鬼に陥り、ここから一気に「鬱」の展開へと落ちていく。この部分の過剰すぎるほどの恐怖演出がこのアニメの魅力の一つだ。「こわすぎて笑ってしまう」という表現が適切かどうか分からないが、キャラクターの一貫性というルールを無視した、ある意味反則といってもいいほどの豹変ぶり。表情の歪ませ方も突き抜けている。そりゃ怖いわ!とツッコみたくなる、そんなインパクトがある。
主人公の疑心暗鬼はさらに増していき、結果、友人二人を撲殺し、自身も気が狂って首をかきむしり自殺する。
問題なのは、この時点でまだ4話であるということだ。明らかにバッドエンド最終回なわけだが、5話目に入ると何事もなかったように、転校後に時間は戻り、またあのキャピキャピパートが始まる。え?え?と思ってみていると、また数話後には別のかたちで大虐殺が起こる。実は一期はほぼこの繰り返しで構成されているのである。くり返しに対しての説明が全くないことと、キャピキャピ→虐殺→キャピキャピ→虐殺→・・・・と嘘のような躁鬱までくり返されることで、いい意味で精神的にくるものがある。


ひぐらしといえば残酷シーンがある、というイメージが強い。私もそれは知ったうえで視聴したが、実際は私の想像のさらに上を行くものだった。ここに関しても、同ジャンルのアニメとはメーターの振り切り方が全く違う。そもそも、ここまでやって放送できるのかと感心するほどである。いちばん見ていてきつかったのは、やはり園崎家の拷問関連のシーンだ。例えば専用の器具で爪を剥がすシーンは、まさかの剥がれる瞬間をそのまま見せるという演出がされている。また、単に「痛そう」というだけではなく「笑いながら友人を刺す」など、拷問する側の狂気を感じさせることで恐怖が何倍にも増しているようだ。

一期に関しては本当に極端なアニメだったと思う。
躁鬱を何度も繰り返したと思ったら、最終回で突如そのどちらでもないテイストに変わる。しかもそれが驚くほどつまらない。それまでの雰囲気はどこに行ってしまったのかというほどの大茶番劇だ。厳密に言えば最終回一話前、4人組の一人が実は繰り返していた時間の記憶をすべて残していたということが明らかになったところから雲行きが怪しくなる。「どうすればこの運命から抜け出せるの」みたいな展開になるのだが、こうなってしまった時点で、もう狂気に満ちた展開にはならないんだな、ということがなんとなく分かってしまう。フラグというのは難しいものだ。それまでの「いつだれが狂ってしまうのか」という緊張感は無くなってしまったわけである。
さらに最終回はコレジャナイ感しか残らないもので、例えば、人質事件(犯人は友人の一人)が起こるのだが「俺たちでこの状況を乗り切るんだ」と力を合わせてなんだかんだで犯人を出し抜き、最後はバトルものアニメのような犯人との戦闘シーンが繰り広げられる。それまでは、殺意を持たれたら終わり、だったはずなのだが・・・。あげく「仲間を信じればどんな壁だって乗り越えられる!」という締めくくりに。要はとてつもなく強引によくあるハッピーエンドに持っていかれたわけだが、まだ二期を見ていないいじょう、このッピーエンドほど後味の悪いものはない。


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